青い海と空のみちのく八戸から・波動はるかに 第12回 80-80(Ⅱ)北行                  

 この1年、私の安息の日々を妨げてきた(?)鷗盟大学、野球、多言語クラブ(ヒッポファミリー)、川柳クラブ、妻の親戚・知人、町内会、通院等を通じて新しく出会った人の数はどれ程になろうか。その中でつい最近、新しく友人仲間に加わった女性がいる。美々ちゃん(仮名)という名の、二足歩行になって3ヵ月ほどの彼女が見せるこちらが想像だにしない行動は全くの驚き、そして興味深いものがある。私が手を伸ばすとひょいと身を傾けてきたのがきっかけで、以来、会うたびに遊ぶようになった。勿論こちらが彼女に遊ばれている感が強い。先に、私の腕の中にいた時も直ぐに地に降ろせと指図して、離れるや否や、おぼつかない足で辺りを冒険し始める。手の届かぬ高さにあるものを私に取れというが、それを私が無視すると今度は床に散らばったもので遊びだす。床に伏すような彼女に隠れて見えなかったが、床から飛び出している何物かと遊んでいる。よく見るとそれはドアーのストッパーで床に固定されているものだ。自分の思うようにならないのか私の方に向かって手を挙げる。私にそれを取れと命令しているようなのだ。「名月を取ってくれろと泣く子供」小林一茶の句を思い出す。またよじ登るという行動も多い。椅子はもちろん少し高い台を見つけると必ず這い上る。また階段は最高の挑戦の対象となるようだ。この幼き登山家に「どうして登るのか?」とインタビューすれば「そこに登るものがあるから」と応えるに違いない。例を羅列するのはこのぐらいにして、赤ちゃんを卒業したばかりの彼女の外部に対する旺盛な好奇心のあり様は驚異的であるとともに私の背を押すのである。

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